

制作書体
武家様式
・武家社会の厳格な精神と安定感があり実用性の高い書体
武家が使用していた花押の形式で、書体は草名体・一字体から構成され、花押文化の中でも武家社会という中で独自の発展をした形です。武家様式の大きな特徴は「天地型」という花押の最上部「天線」と最下部「地線」の横線が基調となり台形の体裁が特徴で、花押としての安定感があり最も花押らしい姿とも言え、現代使われている花押の多くはこの様式のものが多いといえます。様式の枠の中で納め、一見して同じものに見える中で個性や精神を取り入れ優雅な仮名の曲線で自らを記す趣がこの様式の魅力と言えます。武家社会という独特でありながらも日本の精神に深く生き続ける文化の中で使われ続け、厳格で揺ぎ無い信念の精神が形となった書体。
公家様式
・花押の名に相応しい華麗な姿の書体
天皇や公家といった貴族が主に使用した様式で、全体の線を菱形の構成で”8”の字の体裁に構築した形になります。文字を8の字の枠に納める様式になり、必然的に線の交差が多く下から上の画を取り入れる為に、余白の取り方や形取りなど書き方の習得は上級者向けの難易度ですが花押としての芸術性は最も華麗で花押の名に相応しい姿となります。漢字の持つ意味や特性を熟知していた公家だからこそ文字を最も美しく生き生きとした姿に転生させ発展してきた様式と言えます。武家様式との書風の違いからも言葉遊びと同じように文字遊びのように画の運びや筆使いなど、花押を書くという行為が文字でなく絵を描くように自然と楽しくなります。
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